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「DV被害経験と困窮・孤立を抱えるひとり親世帯へのまるごと応援事業」のご報告

特定非営利活動法人mia forzaでは、社会福祉法人中央共同募金会様の「居場所を失った人への緊急活動応援助成 第7回」に採択をいただき、2023年4月から2024年3月までの1年間「DV被害経験と困窮・孤立を抱えるひとり親世帯へのまるごと応援事業」に取り組みましたので、ご報告いたします。

活動内容

①食糧・生活用品の提供;困難を抱えるひとり親世帯への食糧・生活用品の提供を行いました。
②ひとり親の語り合いの場;困難を抱えるひとり親同士が語り合える場を年間を通じて開催しました。
③ひとり親の個別相談;個々が抱える課題に個別で対応しながら、一人ひとりの困難対応力の向上を目指します。相談対応は、面談・メール・S N S・オンライン・家庭訪問を行いました。
④ひとり親世帯のこどもの相談対応;当法人が主催するこどもの居場所にて行いました。また、一部家庭訪問を実施しました。
⑤ひとり親世帯をはじめとする困難を抱える女性やこどもを応援する担い手育成;ひとり親世帯を応援している・これから行う予定の個人と団体を対象に担い手育成研修会を3回(ハイブリッド方式2回リアル方式1回)開催しました。

活動の成果

①食糧・生活用品の提供;家計困窮の緩和を進めると同時に、利用者の方との信頼関係を構築し相談へ繋げることができました。再就職や障がい手帳取得ができた方や「こどもがたくさん食べるようになった」「自分と向き合う余裕が生まれた」等の変化を感じられた方が多数いらっしゃいました。また、食に対しても「バランス良く食べよう」「調理をしてみよう」という積極的な姿勢が生まれたという方もいらっしゃいました。
大規模提供日は、7月30日、10月15日、12月17日、2月17日。そのほか、相談対応時に提供を行いました。提供世帯数322世帯。
②ひとり親の語り合いの場;ひとり親同士が語り合えることで「これまで誰にも打ち明けれらなかったことが話せて気持ちがスッキリした」「孤独感が払拭できた」という方が多くいらっしゃいました。過去のDV被害や子の家庭内暴力について話す方も少なくなく、回復に向け一歩踏み出された方が多くいらっしゃいました。なかには、医療機関のカウンセリングや受診につながった方もあり、当事者の方同士が繋がることでエンパワメントされ、変わりたい・変えていこう、という気持ちに短時間でなられた方が少なくありませんでした。
年間を通じて開催。参加者数32人。
③ひとり親の個別相談;個々が抱える課題に個別で対応しながら、一人ひとりの困難対応力の向上を目指しました。仙台市内だけではなく、宮城県内や隣県からのご相談もありました。過去の暴力被害によるフラッシュバックやPTSDを抱えている方や、被害の影響で人間関係や就労に影響が出ている方が見受けられました。そのような背景を踏まえながら、現状の問題・課題の解決に向けて対応をしました。
住基ブロックや保護施設、母子支援施設入所への対応も行いました。
また、アサーションの手法を用いながら自分との向き合いや気持ちの伝え方についてトレーニングをしたり、アンガーマネジメントについてもお伝えしながらご自身の気持ちに目を向けていただくこともありました。家計の見直しが必要な方や多重債務の方には弁護士等専門家へのリファーも行いました。
誰かが寄り添い伴走することで、勇気や行動力が出て一歩踏み出せるという方が多くいらっしゃいました。
相談回数は66回。186人の方を対応させていただきました。
⑥ひとり親世帯のこどもの相談対応;当法人が主催するこどもの居場所にて行いまし
た。また、一部家庭訪問を実施しました。もやもやとした気持ちの吐露、自分ではコントロールできない衝動、親や周囲の方への反発、友人たちと比べてしまい落ち込んだり自暴自棄になったりする気持ちを受け止めながら寄り添いました。
⑦ひとり親世帯をはじめとする困難を抱える女性やこどもを応援する担い手育成;ひとり親世帯を応援している・これから行う予定の個人と団体を対象に担い手育成研修会3回行いました。地元新聞にもお取上げいただき、新たなつながりを多くいただくことができました。宮城を中心に、隣県をはじめ関西から北海道の方にご参加をいただきました。
参加者数3回合計:98人。

活動を終えて

本事業を行うなかで、東日本大震災から続く困難が世代を越えて今を生きる女性やこどもたちに影響を及ぼしていることが見えてきました。このことから、2024年3月の研修会では「被災地に生きる女性とこどもを応援する」という視点をあらためて多くの方々と共有しました。今後も、本視点を持ちながら支援事業を推進していく予定です。また、女性の抱える困難は多岐にわたっていることから、より多くの組織との連携を展開することとし、2024年度は他組織との連携の中で女性やこどもを応援する担い手育成を展開することにしました。
なお、当法人では、本事業を通して見えてきた女性への支援を法人の柱事業とし、2023年10月に、女性の夜の居場所「女子のホッとカフェ・mia room」を開設しました。
(女性の夜の居場所「女子のホッとカフェ・mia room」は、仙台駅前にて月3-4回木曜夜に開催中)

社会福祉法人中央共同募金会様、そして寄付者・会員のみなさまへのお礼

この度のお力添えに感謝申し上げます。
本事業を通して、女性を応援する団体として、女性が抱える困難は社会の課題であることをあらためて痛感しました。
法律や制度ができても、必ずそこにとりこぼされてしまう方たちがおり、そんな方たちの多くは疲弊し声も上げることもできずにいらっしゃいます。私たちは、そんな方々と出会い、寄り添うことをここからさらに丁寧に行っていきたいと考えております。
いただきました助成金とご寄付をもとに活動をさせていただき、そこから一歩踏み込もうとの思いが生まれ、女性の夜の居場所を開設するに至りました。本助成とご寄付がなければ、私たち自身、踏み出すことはなかったかもしれません。今回いただいた助成とご寄付が、宮城の女性を励まし背中を押したように、私たちも力をいただき背中を押していただいたように感じております。

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